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インタビュー

【PDCインタビュー】クラシック音楽界に革新を。慶應生の情熱が奏でる、心躍るコンサート体験。

公開日時:2025/6/3 15:33:24

【PDCインタビュー】クラシック音楽界に革新を。慶應生の情熱が奏でる、心躍るコンサート体験。

「コンサートに来た人が、心の底から『また来たい!』と思える体験を届けたいんです」

そう語るのは、慶應義塾大学で経済学を学びながら、クラシック音楽の世界に情熱を注ぐ鍋島優歌さん。彼女が起業家輩出プログラム「Passion Driven Changers(PDC)」に参加し、改めて向き合ったのは、幼い頃から肌で感じてきた音楽界の課題。そして、演奏家と聴衆、双方を笑顔にするための具体的な一歩を踏み出すことでした。

PDCでの内省を通じて深く掘り下げた原体験と、そこで出会った仲間たちの存在を力に変え、クラシック音楽の新たな可能性を切り拓こうとする鍋島さんの挑戦が、今始まろうとしています。

■Mission / Vision / Value

  • Mission コンサートに来た人が心から楽しんで「また来たい」と心の底から思ってもらえるようなコンサート体験を提供すること 。
  • Vision:魅力あるコンサートや音楽家の魅力を、その魅力がきちんと伝わるような形にして発信していくこと 。
  • Value:音楽家の視点を尊重しつつ、聴衆が求めているものにも両方の視点から応えられるようにすること 。

■自己紹介をお願いします

改めまして、鍋島優歌です。慶應義塾大学3年で、経済学を専攻しています 。PDCを通して、クラシック音楽に関連することで起業したいと考えています。

この想いに至った背景には、私の幼少期からの経験があります。小さい時からバイオリンを習っていて、周りに音楽家がいる環境で育ちました 。その中で、クラシック音楽業界における様々な課題感を肌で感じ、いつしか「この状況を変えたい」と強く思うようになりました。

音楽以外の趣味は…「食」ですね(笑) 。特に食パンが大好きで、美味しいパンを食べるのが生きがいです 。

■なぜPDCに応募しようと思ったのですか?

PDCに応募したのは、昨年12月にCroMenさんの別のプログラムに参加した際、自己分析がまだ不十分だと感じたのがきっかけです 。もっと深く自分と向き合い、それをビジネスに繋げていけるPDCで、自分の事業を加速させたいと思いました 。

一人だとどうしても怠けてしまう性格なので、プログラムに参加することでメンターの方々から意見を頂いたり、事業化していくためのステップを学べる講義を受けたりすることで、「このまま進んでいけるぞ」という安心感を得たかったというのもあります。

■PDCに参加して、自身にどんな変化や成長がありましたか?

PDCに参加して一番大きかったのは、自己理解が格段に深まったことです 。以前は「自分のことはある程度分かっている」と思い込んでいたのですが、PDCのプロセスを通じて、改めて自分自身と真摯に向き合うことができました 。

また、他の参加者の進捗を見ることができたのも、大きな刺激になりました 。それぞれの人がどのように事業を進めているのかを知ることで、「私もやらなきゃ!」と自然に思えましたし、互いに励まし合いながら進められたのは本当に良かったです 。

PDCでのインタビューを通じて音楽家の方々の生の声を聞き、「この人たちのために課題を解決したい」と強く思ったことで、事業の軸足をクラシック音楽に定める覚悟ができました 。大学生という立場で、すぐに収益を追求するのではなく、自分が本当に感じている課題に真摯に取り組んでも良いんだと、周りの参加者の姿勢を見て思えたことも大きいです。

■現在、どんな事業を考えていますか?

現在、クラシック音楽の分野で2つの事業アイデアを考えています。

1つ目は、既にコンサートを企画している音楽家の方々に対するプロモーションのコンサルティングです 。
サッカー選手のように、音楽家個人のパーソナリティにもっと注目が集まっても良いのではないかと感じています 。コンサートの内容だけでなく、音楽家自身の魅力に焦点を当てたプロモーションをサポートすることで、より多くの人にその音楽家のファンになってもらいたいのです 。素晴らしい演奏をするのに、その魅力を十分に発信できていない音楽家がたくさんいます 。特に小規模な音楽家の場合、どうしてもコンサートの「内容」で選ばれがちで、音楽家「個人」の魅力が伝わりにくいのが現状です 。一人ひとりの個性や人間性をより発信していくお手伝いをしたいと考えています 。

2つ目は、まだ具体的なコンセプトを持っていない方々に対して、魅力的なコンセプトを提案し、コンサート自体を企画・設計することです 。
クラシック音楽と何か別の要素を掛け合わせるような、新しい形のコンサートも考えています 。例えば、ワインや日本酒といった、コンサートに来る方が好みそうなものとのコラボレーションや 、地方創生と連携した企画なども視野に入れています 。

■なぜ、その事業をやりたいのですか?

起業に興味を持った直接のきっかけは、高校1年生の時に見たNetflixの韓国ドラマ「スタートアップ」でした 。インキュベーション施設で若者たちが事業を加速させていく姿に、純粋にかっこいいなと思ったんです 。

その後、大学受験に集中する中で一度はその想いを心の奥にしまっていましたが、目標としていた大学に届かなかった経験から、「何か他の面で秀でたい」という気持ちが芽生え、改めて起業への関心を思い起こしました 。

そして、どんな分野で起業しようかと考えた時、自然と自分の強みであるクラシック音楽に目が向きました 。昔から、知り合いの音楽家たちが「チケットが売れない」と嘆いているのを常に聞いていたので、この分野に根深い課題があることは認識していました 。PDCのプログラムで音楽家の方にインタビューをする中で、その課題を解決したいという想いがより一層強くなりました 。

■今の価値観に繋がる原体験は何ですか?

私の性格や価値観の根底には、やはり幼少期からのバイオリン経験が大きいと思います。小中学生の頃から、学校、練習、塾と、常に何かに追われるような忙しい日々を送っていました 。自分で言うのもなんですが、目標に向かって努力することが好きな「ドM」なタイプなんです(笑) 。

頑張るモチベーションは年齢と共に変化してきましたが、高校生くらいからは、サポートしてくれる親への感謝や、少し変わったキャリアを歩んでいることへの将来への不安から、「頑張らなきゃ」という気持ちが強くなりました 。そして今は、「将来、自分が納得できる結果を絶対に出したい」という強い思いが、私を突き動かしています 。

ロールモデルとしては、東京大学のピアニストである角野隼斗さんです。高い学力とピアノの才能を両立させている姿に感銘を受け、私も複数のことに同時に取り組み、それぞれの経験を互いに活かせるような人間になりたいと思っています 。

■事業を通じて、どんなビジョンを実現したいですか?

日本のクラシック音楽コンサートって、なんだか少し真面目すぎるような気がするんです 。もっと観客が心の底から楽しんで、「ブラボー!」と素直に感動を表現できるような、そんなコンサート空間を実現したいと思っています 。

ヨーロッパの聴衆のように、演奏に対して素直に反応し、音楽を全身で楽しむ文化を日本にも広げたい。クラシック音楽が、高尚な文化としてだけでなく、誰もが気軽に楽しめるエンターテイメントとして認識される世界。それが私の目指す未来です 。音楽家の魅力がもっと伝われば、コンサートはもっと面白くなるはずです。レイ・チェンさんというオーストラリアのバイオリニストは、幼少期の話やレッスン動画をYouTubeで積極的に発信していて、とても参考になります。また、コメディ風の動画を制作していたトゥーセット・ヴァイオリンのように、演奏技術だけでなくパーソナルな部分を発信することで、ファン層は確実に広がると信じています。

■実現に向けたロードマップはありますか?

今年度中に事業を形にしたいと考えており、現在はSNS運用に協力してくれる同年代のメンバーと共に、積極的に活動を進めています 。既に2人の音楽家の方に声をかけ、プロモーションのお手伝いを始めています。

最初の1年程度は、無償で協力させていただきながら、成功事例を積み重ねていく期間と捉えています 。そして、その実績をもって、翌年からの収益化を目指していきたいです。まずは、協力してくれる音楽家の方々のコンサートに来る客層やアピールポイントなどをさらに詳しくヒアリングし、具体的なサポート内容を詰めていく予定です。
例えば、8月にコンサートを予定している団体はSNSにあまり強くないため、そこを重点的にサポートしていくことを検討しています。

■事業を加速させるために、どんなモノやヒトが必要ですか?

事業を進めていく上で、まず純粋に音楽家の方々との繋がりをさらに広げていきたいです。そして、その音楽家を応援してくれるクラシック音楽好きが集まるコミュニティの存在も非常に重要だと感じています。

プロモーションに関しては、特にSNSマーケティングの知識や実体験に基づいたアドバイスを求めています 。現在は、インスタグラムでのプロモーションを考えていますが、まだまだ手探りの状態です。

そして、「コンサート×〇〇」といったコラボレーションに関心のある企業や、私たちのコンサートに来てくださる方々が将来顧客になり得るようなサービスや商品を提供している企業との出会いを熱望しています 。お互いにとってWin-Winになるような関係を築き、新しい価値を共に創造していきたいです。例えば、ワインや日本酒のメーカーさん、あるいは地方創生に力を入れている自治体や企業さんなど、様々な可能性を探っていきたいです 。

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