中央大学iTLと仏ストラスブール大学で法・IT・経済を学ぶ熊丸滉大氏。彼が挑むのは、難解な「地方創生」のパズルだ。感情論や一過性の観光ではなく、「仕事」という最大のボトルネックを解消することで、東京と地方の新しい循環を生み出そうとする、若き論客の挑戦に迫る。
中央大学iTL/Strasbourg university 熊丸滉大 (くままる こうだい)
■Mission / Vision / Value
- Mission: 故郷が少しでも良いところになるように
- Vision: 地方に活力を都心に選択肢を
- Value: 企業向け地方滞在サービス
■自己紹介をお願いします
中央大学国際情報学部(iTL)と、フランスのストラスブール大学経済学部に籍を置き、法律、IT、経済という異なる視点から社会構造を学んできました。実務面ではマーケティングを担当し、理論と実践の両輪でビジネススキルを磨いています。 アカデミックな知見を活かしつつ、泥臭い現場の課題解決にも取り組む、そんなハイブリッドな視点が私の強みです。
■なぜPDCに応募しようと思ったのですか?
きっかけは、TIB(Tokyo Innovation Base)で開催されたイベントでした。そこでPDCの存在を知り、「情熱」を起点に事業を創出するというコンセプトに共感しました。 ただアイデアを練るだけでなく、それを社会実装できるレベルまで引き上げるための環境として、ここが最適だと直感し、応募を決めました。
■PDCに参加して、自身にどんな変化や成長がありましたか?
起業家としての「OS」がインストールされた感覚です。 それまでは知識先行な部分もありましたが、プログラムを通じて、起業に必要な基礎知識はもちろん、仮説検証のサイクルを回す行動習慣が身につきました。「頭で考える」だけでなく「足で稼ぐ」ことの重要性を学べたのは大きな成長です。
■現在、どんな事業を考えていますか?
企業向けの「地方滞在サービス」です。 地方に点在する魅力的なアセット(宿泊施設、体験、ワークスペースなど)を組み合わせ、東京の企業人が「仕事をしながら」気軽に地方滞在できるパッケージを提供します。 単なる観光旅行ではありません。東京の仕事を維持したまま、中長期的に地方で暮らし、働く。そんな新しいライフスタイルを、企業導入型のサービスとして提案しています。
■なぜ、その事業をやりたいのですか?
地方創生の最大のボトルネックは「仕事」だからです。 どれだけ地方が魅力を叫んでも、生活の糧である仕事がなければ人は移住できません。多くの人は経済合理性を優先し、東京に留まらざるを得ないのが現実です。 「移住か、東京か」という二者択一ではなく、「東京の仕事を保ったまま地方に関わる」という第三の道を拓きたい。個人の努力に依存せず、企業制度としてこの仕組みを導入することで、再現性のある形で人の流れを地方へ「逆流」させることができると考えています。
■今の価値観に繋がる原体験は何ですか?
ふとした瞬間に感じる「地方の衰退」と、対照的な「東京の過密」への違和感です。 帰省するたびにシャッターが増える故郷の商店街。一方で、満員電車に揺られ消耗する東京の人々。このアンバランスさを肌で感じるたびに、「一度はこの巨大な課題に本気でトライしなければならない」という使命感が静かに、しかし確実に育っていきました。
■事業を通じて、どんなビジョンを実現したいですか?
マクロな視点では、東京一極集中を解消し、日本中の地域がそれぞれの色を持って栄える未来です。 そしてミクロな視点では、働く個人に「選択肢」を提供したい。「リモートで働けるなら、東京に縛られる必要はない」。そう気づいた人々が、自分らしい場所で生き生きと暮らす。多様な文化が息づく故郷を、次世代に残し続けたいです。
■事業を加速させるために、どんなモノやヒトが必要ですか?
まずは、この実証実験に参加してくださる「アセットを持つ地方自治体や企業の方」、そして新しい働き方を導入したいと考えている「都心の企業担当者様」との繋がりを求めています。 また、現在は個人で動いていますが、スケールさせるためにはチームが必要です。私のビジョンに共感し、泥臭い営業や組織作りを共に走ってくれる仲間を探しています。